Cooking Rebun

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日本最北限・北海道礼文島暮らし

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北海道礼文島移住雑感:礼文島に1年9ヶ月住んで思ったこと

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あけましておめでとうございます。地域おこし協力隊のはやとです。

読者のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。

私は実家の愛知県に帰省しています。

 

実家や東京に帰るたびに、「自分が島に住んでいるのは夢なのでは?」なんて思います。

 

両親や友人に「ドラッグストアがないとこに住んでるんだよ」と言っても、自分自身半信半疑になります。ほんとにそんな世界があるのか、と自分でも思ってしまいます。

 

とにかく、自分が属している都会の世界からすれば、本当に不便極まりない、不自由な場所です。特に暗く寒い冬は、太平洋側の人間である私には本当に辛いです。

 

そんな場所に住んで、まもなく2年になろうとしています。日本最北限の有人離島礼文島で私が目撃したのは、東京や名古屋と変わらない、人の営みでした。

 

私が好きな小説で、夏目漱石の『草枕』というのがあるのですが、その冒頭には

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。

 とあります。文章はさらに、

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

と続きます。

 

学生時代、私は迫り来る就活の足音から逃れるように、世界各地を旅しました。そしてアフリカの奥地に行った時、やはりそこにも社会があり、人間がいたことを「発見」しました。

(詳細は下記参照)

cookingrebun.hatenablog.com

今回の礼文島移住も、私にとってはその確認でした。

 

日本最北端まで来て、どうやら「どこへ越しても住みにくいと悟った」ようです。

 

どこかに理想郷があると信じて旅をしていた若者が、理想郷が存在しないことを薄々悟る。それでも「理想」を求めて創作することを志向する。自分はこのような流れの中にあるのだと思います*1

 

 ですが、頭で理解したからといって、「こじらせた」自分が、実際に自分自身を(日本)社会と折り合いをつけさせるのは簡単ではないと思います。

 

自分にとっては、他でもないその「こじらせた部分」が大切だったりするのです。

 

今後の私の人生がどうなるかはわかりませんが、礼文島で感じたことを活かしつつ、自分を表現していけたらいいなと思います。 

 

最後に、今週のお題「2018年の抱負」とのことなので、抱負を書きます。

 

2018年、私は、自分の価値と向き合い、社会の中で表現する方法を探り、何か1つ形にする。

 

少し長いですが、2018年の抱負をそう定義しておきます。

*1:古市(2010)『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 』(光文社新書)が面白かったです