地域おこし協力隊制度の課題 -「地域おこし協力隊」は地域で一体何を作ろうとしているのか? -
こんにちは。地域おこし協力隊のはやとです。
先週は、年に一度の礼文島の大きな神社祭である「厳島神社祭」に参加し、地域の方々とともにお神輿を担ぎました。最近、地域の方々と関わることが多く、「地域おこし」についても考えることがあります。
この記事では、いわゆる「地域おこし協力隊」が当該地域で一体何をしたいのかを、礼文町を事例として考察してきたいと思います。
私は2016年の12月、礼文島で活動する協力隊員および関係する行政職員の方々に対して協力隊事業の意識調査を実施しました。そこでは協力隊、行政職員が協力隊制度に一体何を求めているか等を質問しました。その結果の概要が以下になります(資料を利用したい場合は私に連絡ください:hayato_katさんのプロフィール - はてな)。
(資料)
礼文町地域おこし協力隊に関する情報交換会_会議資料.pdf - Google ドライブ
これによると、行政職員が概ね協力隊制度に人手不足の解消を求めているのに対し、協力隊側には多様な動機があることがわかります。
「地域おこし」には「地域」という文字が含まれており、「地域」をよくする、というのは地域住民へなんらかの価値を提供することだと考えてよいと思います。
現実には、私自身やまわりの協力隊の方々を見ていると、協力隊として赴任した地域のことをよく知らないまま当該地域の協力隊になる人が少なくないと思います。実際問題、会ったこともない人(地域住民)の為に粉骨砕身働きたいというのは、崇高というよりも不自然だと思います。
協力隊員になる人は一体何を求めているのか?その答えのひとつが、「新しい生き方」にあると思います。「田舎フリーランス」に象徴されるような動きがそれだと思います。
しかし、その「新しい生き方」というのは、「(都会とは異なる)新しい生き方」という意味であり、かっこでくられた部分は、当該地域の中では、協力隊員の頭の中にしか存在しないと考えられます。地域住民は協力隊の価値観とはかけ離れている部分があるのです。協力隊から見たら「豊かな湖」でも、現地住民からしたら邪魔でしかないのかもしれません。
新しい生き方を作りたい協力隊と、地域活性化をしたい地域住民(あるいは行政)。このような違いが、「地域おこし」の名の下にひとくくりにされた時、問題が見えづらくなってしまうと思います。
両輪がうまく同じ方向を向けばそれは成功事例へと突き進むと思われるのですが、それをいかにマッチングさせていくのかが協力隊制度の課題であると私は考えます。
あくまで私が見た範囲の話ですので、ご意見があれば教えていただけたらと思います。